Futsal News Soccer News

フットサル日本女子代表がイランに競り勝ち決勝戦へ、初開催のFFWWC出場を決める / AFC女子フットサルアジア杯

[2025/05/16 Fri]

 15日(木)、AFC女子フットサルアジアカップ 中国 2025 準決勝が行われた。

 グループ2位でノックアウトステージへ進んだフットサル日本女子代表は、準々決勝でフットサルベトナム代表をクリーンシートで下してベスト4に勝ち上がった。そして、準決勝の相手は、前身大会となるAFC女子フットサル選手権においてこれまでの2大会でともに決勝戦で苦杯をなめさせられている宿敵フットサルイラン女子代表となった。立ち上がり2分10秒、最終ラインからダイレクトでPA内右のFP江口未珂へグラウンダーのボールを送られると、江口は右足トラップで前を向く。詰めてきたGKをしっかりと確認して、右足でなめてボールを左へ動かすとそのまま左足を振り抜いたが、シュートはGKに阻まれて再び江口の足元へこぼれた。すると、今度は左前ゴール正面にいたダイレクトでPIVO(FP)筏井りさへのパスを選択。少しマイナス気味になったボールを筏井が右足でコントロールしてから落ち着いてゴール右下に蹴り込み、日本が幸先よく先手を奪った。勢い付いた日本は、続く3分33秒、ゴール正面ペナルティーマーク付近のPIVO(FP)岩崎裕加の足元へ縦のボールを付けると、これに対応してALA(FP)高橋京花が右サイドを駆け上がった。それをしっかりと認識していた岩崎がタイミングを合わせて高橋へ落とすと、高橋は迷いなく右足を振り抜き、ダイレクトでゴール左下へ決めて日本が突き放した。イランも遠目からシュートを放つもGK井上ねねの好セーブなどで凌ぎ、2点のリードを手にした日本が優位に進めて第1ピリオドを終えた。

 第2ピリオドに入り、イランもギアを上げて反撃を試みる。そして、23分19秒、ゴール正面8m付近からのFKをGK井上が体を呈して跳ね返すも、こぼれ球をつないで最後はFPマラル・トルカマンが右足でゴールネットを揺らし、イランが反撃の狼煙を上げた。一進一退の攻防が続く中、29分19秒、GK井上から左サイドを駆け上がるALA(FP)網城安奈の足元に丁寧なボールがスローされると、網城は右足アウトサイドでコントロールしながら中を上がってくる味方の様子を確認する。そして、タイミングを見計らってゴール正面にボールを出すと、右足アウトサイドで右サイドから中へ切れ込んできたALA(FP)宮原ゆかりが左足ダイレクトでゴールネットを揺らして日本が再びリードを2点に広げた。すると、イランは残り10分を切ったところからパワープレー(PP)を選択する。一方、日本は全員が集中したDFでボールを中に入れさせず、ことごとく跳ね返していく。それでも、31分22秒、ゴールほぼ正面約10m付近からのFKをトルカマンが鋭いグラウンダーのシュートで直接決めて、イランが1点差に詰め寄った。その後も強烈なシュートをミドルレンジから狙うイランに対して、GK井上を中心に体を張ってゴールを死守し続け、3-2のままタイムアップ。

 フットサル日本女子代表が積年の思いを晴らす勝利で、決勝戦進出を手にした。そして、初開催となるFIFAフットサル女子ワールドカップ(FFWWC)への出場を決めた。

 最後に、見事イランを撃破し、FFWC出場へ導いた須賀雄大監督は、「今大会に臨むにあたり、イランに勝たなければ優勝はできないと考えていたので、イランと対戦することは頭に入れて準備してきました。試合自体は最後までタフな試合になりましたが、そのタフな試合を勝ちきった選手たちを誇りに思います。選手たちにとって今大会は7年ぶりの公式戦となり、これまで非常に献身的で結果を残してきた選手たちですが、やはり公式戦になるとこれまでの試合とはまったく違った雰囲気の中での試合となりました。しかもワールドカップの出場権をかけた戦いというのは、これまで戦ってきた戦いに比べるとまた違った試合となり、そういった試合の中でも、選手たちが一つ一つ成長して、チームとして団結していったことが、今回の結果につながったと思っています。ワールドカップに出場するかしないかは、日本女子フットサル界の歩みにとって、まったく別物になると思っていたので、本当に結果が出て、報われたというかホッとした気持ちでいっぱいです。まだアジアカップ優勝という目標が残っているので、世界で戦えるチームを目指せるということに感謝しながら決勝も戦いたいと思います。今大会はたくさんの方々が自分たちを応援してくれました。またこれまで日本女子フットサル界を支えてきてくれた方々の積み重ねで、ワールドカップ出場が決まったと思っています。その力をさらに証明するためにもアジアチャンピオンになりたいと思っています。」とコメントしている。

----------
【スコア】フットサル日本女子代表 3-2 フットサルイラン女子代表
【得点者】
 2分10秒 1-0 筏井りさ(日本)
 3分33秒 2-0 高橋京花(日本)
 23分19秒 2-1 マラル・トルカマン(イラン)
 29分19秒 3-1 宮原ゆかり(日本)
 31分22秒 3-2 マラル・トルカマン(イラン)
アジアカップ公式YouTubeチャンネル"AFC Asian CUP"(@AFCAsianCup):ハイライトフルマッチ

----------
■フットサル日本女子代表
▽スタッフ:
 監督 須賀 雄大/スガ タケヒロ(JFAナショナルコーチングスタッフ)
 コーチ  藤田 安澄/フジタ アズミ(JFAフットサルインストラクター/湘南ベルマーレ)
 GKコーチ 富澤 孝/トミザワ タカシ(JFAフットサルGKプロジェクト/バルドラール浦安/東急SレイエスFC)
 フィジカルコーチ 大森 知/オオモリ トモ(JFAフットサルフィジカルフィットネスプロジェクト/フウガドールすみだ/東急SレイエスFC)
 テクニカルスタッフ 林 誠晃/ハヤシ マサアキ(JFAテクニカルハウス)
▽選手:
・GK
 1 井上 ねね/イノウエ ネネ(立川アスレティックFCレディース)
 2 須藤 優理亜/ストウ ユリア(トレブランカ・メリリャ/スペイン)
・FIXO
 5 伊藤 果穂/イトウ カホ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
 7 追野 沙羅/オイノ サラ(SWHレディース西宮)
・ALA
 4 四井 沙樹/ヨツイ サキ(SWHレディース西宮)
 6 池内 天紀/イケウチ アキ(バルドラール浦安ラス・ボニータス) ※4/26追加招集
 8 宮原 ゆかり/ミヤハラ ユカリ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
 10 網城 安奈/アミシロ アンナ(SWHレディース西宮)
 13 高橋 京花/タカハシ キョウカ(アルコ神戸)
 14 松本 直美/マツモト ナオミ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
・PIVO
 9 江川 涼/エガワ リョウ(SWHレディース西宮)
 11 筏井 りさ/イカダイ リサ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
 12 岩崎 裕加/イワサキ ユウカ(フウガドールすみだレディース)
・UNIVERSAL
 3 江口 未珂/エグチ ミカ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)

----------
■AFC女子フットサルアジアカップ 中国 2025
期間:2025年5月6日(火・振休)〜17日(土)
会場:Hohhot Sports Centre/中国
出場チームとグループ分け:
 [グループA]中国、ウズベキスタン、チャイニーズ・タイペイ(台湾)、オーストラリア
 [グループB]イラン、ベトナム、ホンコン・チャイナ(香港)、フィリピン
 [グループC]タイ、日本、インドネシア、バーレーン
マッチスケジュール: ※日本関連のみ抜粋、時間はすべて現地時間
 ・グループステージ(GS)第1節/vs インドネシア ○5-2 ハイライトフルマッチ
 ・GS第2節/vs バーレーン ○2-3 ハイライトフルマッチ
 ・GS第3節/vs タイ ●3-1 ハイライトフルマッチ
 ・準々決勝/vs ベトナム(グループB 1位) ○0-2 ハイライトフルマッチ
 ・準決勝/vs イラン ○3-2 ハイライトフルマッチ
 ・決勝戦/5月17日(土)20:00
※フィリピンを除く、上位3チームにFIFAフットサル女子ワールドカップ(FFWWC) フィリピン 2025出場権が与えられる。

 一覧に戻る


INFO.