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フットサル日本女子代表が悲願の初優勝、大会MVPはFP追野沙羅! / AFC女子フットサルアジア杯

[2025/05/19 Mon]

 17日(土)、AFC女子フットサルアジアカップ 中国 2025 決勝戦が行われ、フットサル日本女子代表はフットサルタイ女子代表と対戦した。

 グループステージ第3節でも対戦したが、その時は3-1でタイが勝利を収め、グループ1位でノックアウトステージに進んだ。グループ2位となったことで、準決勝で2大会連続でアジアチャンピオンに輝いている宿敵フットサルイラン女子代表と対戦することとなった日本だが、2015年の第1回の決勝戦から10年という積年の思いをぶつけて、3-2で競り勝った。

 そして、2度目の顔合わせとなった戦いは、決勝戦に相応しい、一進一退の激しい攻防が繰り広げられる。4分11秒、前線からのプレスでボールを奪うと、PIVO(FP)岩崎裕加との連携からFIXO(FP)追野沙羅が右足でゴールネットを揺らして、日本が幸先よく先制する。ところが、8分41秒、右CKからマイナスに戻したボールを右足裏で前へ運び、DFがズレたところで右足を一閃。力強いシュートがゴール右下へ決まり、タイが反撃に転じる。その後も一進一退の攻防が続くも、お互いに追加点を決められず、第1ピリオドを1ー1で終えた。

 第2ピリオドも拮抗した展開の立ち上がりとなる中、20分52秒、左CKをグラウンダーで大きく下げたボールを先制ゴールを決めた追野が左足ダイレクトでゴールを狙う。しかしながら、ミートしきれずボールがPA内右へ流れると、これがALA(FP)高橋京花の足元に転がり、高橋は迷いなく左足シュートを選択する。これがゴール左上に決まって日本が再びリードを手にした。しかしながら、24分16秒、斜めのパスをインターセプトすると、そのまま右足を振り抜いてゴールネットを揺らし、タイが追いすがった。その後もお互いにチャンスを創り出すものの、両GKの奮闘もあり、2-2で40分間の戦いを終えて、勝負の行方は延長戦に突入した。

 そして、延長第1ピリオドの42分14秒、右CKからタッチライン沿いに戻したボールを右足ダイレクトのグラウンダーシュートがDF2人とGKの3人の股下を射抜き、タイがこの試合初めてのリードを手にする。しかしながら、43分46秒、左サイドからのキックインをグラウンダーで10mマーク付近へ転がすと、ALA(FP)宮原ゆかりが左足裏トラップで左へ持ち出し、そのまま思い切り良く左足を振り抜いた。強烈なシュートはゴール右へ決まり、日本が3-3に追い付いて延長第2ピリオドへと進んだ。激しさの増す延長第2ピリオドだが、シーソーゲームはどちらにも傾くことなく、PK戦での決着となった。

 1人目がともに失敗してスタートしたPK戦は、先攻のタイ3人目が右枠外に外したのに対して、日本3人目はきっちりと決めてリードを手にする。そして、タイ4人目のキックをGK井上ねねが左手で弾くとゴールポストにヒットして跳ね返り、3ー2で勝負あり。

 フットサル日本女子代表が、悲願のアジアチャンピオンに輝き、アジア女王として11月に初開催となるFIFA女子フットサルワールドカップ(FFWWC)へ臨むこととなった。この2つの目標を見事達成へと導いた須賀雄大監督は、「非常にタフで難しい試合となりました。タイも素晴らしいチームで、一進一退のフットサルの魅力が詰まった好ゲームになったと思っています。そんな中、スコア的にも劣勢になる時間帯もありましたが、最後まで諦めずに盛り返した選手たちを心から誇りに思います。そして、この勝利は今まで日本女子フットサル界を作ってきてくれた皆さんの勝利だと思っています。」とコメントし、これまでの女子フットサルを支えてきた全員を称えた。そして、「世界での立ち位置はアジアの中での立ち位置とは違い、今度は自分たちがチャレンジャーとして立ち向かわなければなりません。その中で選手一人ひとりに求められるタスクも変わってきます。そういったものをしっかりと分析してワールドカップで勝利できるように、今からスタッフと力をあわせてチームを作っていきたいと思います。」と、すでに意識を11月のFFWWCへ切り替えていた。

 なお、大会MVPには、FIXO(FP)追野沙羅が輝き、大会最優秀GKには井上ねねが選出された。

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【スコア】フットサルタイ女子代表 3(PK2-3)3 フットサル日本女子代表
【得点者】
 4分11秒 0-1 追野沙羅(日本)
 8分41秒 1-1 ジェンジラ・ブブファ(タイ)
 20分52秒 2-1 高橋京花(日本)
 24分16秒 2-2 ナッタモン・アルトカラ(タイ)
 42分14秒 3-2 パエルプロイ・ファジャイペッチ(タイ)  43分46秒 3-3 宮原ゆかり(日本)
アジアカップ公式YouTubeチャンネル"AFC Asian CUP"(@AFCAsianCup):ハイライトフルマッチ

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■フットサル日本女子代表
▽スタッフ:
 監督 須賀 雄大/スガ タケヒロ(JFAナショナルコーチングスタッフ)
 コーチ  藤田 安澄/フジタ アズミ(JFAフットサルインストラクター/湘南ベルマーレ)
 GKコーチ 富澤 孝/トミザワ タカシ(JFAフットサルGKプロジェクト/バルドラール浦安/東急SレイエスFC)
 フィジカルコーチ 大森 知/オオモリ トモ(JFAフットサルフィジカルフィットネスプロジェクト/フウガドールすみだ/東急SレイエスFC)
 テクニカルスタッフ 林 誠晃/ハヤシ マサアキ(JFAテクニカルハウス)
▽選手:
・GK
 1 井上 ねね/イノウエ ネネ(立川アスレティックFCレディース)
 2 須藤 優理亜/ストウ ユリア(トレブランカ・メリリャ/スペイン)
・FIXO
 5 伊藤 果穂/イトウ カホ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
 7 追野 沙羅/オイノ サラ(SWHレディース西宮)
・ALA
 4 四井 沙樹/ヨツイ サキ(SWHレディース西宮)
 6 池内 天紀/イケウチ アキ(バルドラール浦安ラス・ボニータス) ※4/26追加招集
 8 宮原 ゆかり/ミヤハラ ユカリ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
 10 網城 安奈/アミシロ アンナ(SWHレディース西宮)
 13 高橋 京花/タカハシ キョウカ(アルコ神戸)
 14 松本 直美/マツモト ナオミ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
・PIVO
 9 江川 涼/エガワ リョウ(SWHレディース西宮)
 11 筏井 りさ/イカダイ リサ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
 12 岩崎 裕加/イワサキ ユウカ(フウガドールすみだレディース)
・UNIVERSAL
 3 江口 未珂/エグチ ミカ(バルドラール浦安ラス・ボニータス)

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■AFC女子フットサルアジアカップ 中国 2025
期間:2025年5月6日(火・振休)〜17日(土)
会場:Hohhot Sports Centre/中国
出場チームとグループ分け:
 [グループA]中国、ウズベキスタン、チャイニーズ・タイペイ(台湾)、オーストラリア
 [グループB]イラン、ベトナム、ホンコン・チャイナ(香港)、フィリピン
 [グループC]タイ、日本、インドネシア、バーレーン
マッチスケジュール: ※日本関連のみ抜粋、時間はすべて現地時間
 ・グループステージ(GS)第1節/vs インドネシア ○5-2 ハイライトフルマッチ
 ・GS第2節/vs バーレーン ○2-3 ハイライトフルマッチ
 ・GS第3節/vs タイ ●3-1 ハイライトフルマッチ
 ・準々決勝/vs ベトナム(グループB 1位) ○0-2 ハイライトフルマッチ
 ・準決勝/vs イラン ○3-2 ハイライトフルマッチ
 ・決勝戦/vs タイ ○3(PK2-3)3ハイライトフルマッチ
※フィリピンを除く、上位3チームにFIFAフットサル女子ワールドカップ(FFWWC) フィリピン 2025出場権が与えられる。
最終順位:
 優勝 フットサル日本女子代表 ※初
 準優勝 フットサルタイ女子代表
 3位 フットサルイラン女子代表
個人表彰:
 大会MVP 追野 沙羅(日本)
 大会最優秀GK 井上 ねね(日本)
 大会得点王(6ゴール) マラル・トルカマン(イラン)

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