Bたんぱく質について(1) たんぱく質とアミノ酸の違い

栄養だってフットサルやサッカーと同じ、チームワークが大事です。
お肉ばっかり=全員フォワード、なんてチームが試合では勝てそうにないように、お肉を食べるときには、お肉の働きを助けてくれる栄養素をしっかり食べる、そう、野菜も一緒に食べることが大切です。

フットボールにもフォワード、ディフェンス、キーパーなどのポジションがあり、それぞれの役割が異なるように、栄養素にも種類があり、それぞれの役割があります。

そのキホンとなる5つの栄養素について、前回ご紹介させていただきました。
さあ、それではそれぞれの栄養素の働きを詳しく見ていくことにしましょう。

まずはたんぱく質。英語で「プロテイン」といいますが、この語源はギリシャ語で「第一」という意味の言葉だといわれています。
つまり、「第一に、真っ先に摂るべき大切な栄養素」という名前がつけられているのです。その名のとおり、たんぱく質は、

  ◎筋肉や内臓、ホルモンの材料になる
  ◎神経伝達物質の材料になる
  ◎免疫細胞の材料になる

といった、生命維持には絶対欠かせない働きをしています。
筋肉トレーニングをするときにプロテインを飲んだ、という経験がある方も多いと思いますが、これはトレーニングによって刺激された筋肉に、その材料を速やかに補給するためということになります。

しかし、同時に「サプリメントのプロテインって必要なの?」「いろんな種類があるけど、選び方は??」 といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?その答えを見つけるためには、まずたんぱく質についてもう少し詳しく知ることが大切です。

まずはたんぱく質の材料について。
たんぱく質を補うためのサプリメントや栄養補助食品には「プロテイン」のほかに「アミノ酸」と呼ばれるものがあります。
「プロテイン」と 「アミノ酸」の違いについては、真珠のネックレスに例えるとわかりやすいと思います。
ネックレスそのものがたんぱく質やプロテイン、そしてその材料となる一粒一粒の真珠がアミノ酸です。

つまり、アミノ酸がたくさんつながった塊がプロテインです。

私たちがお肉やお魚、大豆などを食べたときはプロテインの状態です。それを自分の材料として筋肉などに作り変えるためには、まず「消化」「吸収」といった作業が必要です。プロテインをアミノ酸に分解することを消化、それを小腸から取り込むことが吸収です。このプロセスがうまくいかないと、いくらたんぱく質を食べても、利用できずにそのまま排泄されてしまいます。ですから、たんぱく質(プロテイン)をきちんと役立てるためには消化・吸収の能力がポイントとなります。

さて、アナタは消化・吸収能力に自身があるでしょうか?
食べ過ぎるとすぐに胃がもたれる、よく下痢をする、といった症状に心あたりがある方は、せっかく食べたたんぱく質がうまく消化・吸収できていない可能性があるかも?
しかも、もともと日本人はお肉や乳製品のたんぱく質を消化する能力が低いと言われているのです!なんだか損な気分・・・ですね。
だけど、これも私たちのご先祖様の食生活で受け継がれた体質。日本人は奈良時代から幕末までの間、ほとんど肉や乳製品を食べない食生活をしてきました。その間、およそ1300年!たんぱく質は、主に大豆や小魚から摂ってきたのですね。だから、身体の消化・吸収機能もそれに適したものに進化してきました。反対にずっと狩猟民族だった欧米の人々は、肉食に適した内臓を持っているのです。

私たち日本人がお肉を食べれるようになってから、まだたったの50年くらいしか経っていないので、肉食な食生活をしていると内蔵に負担がかかってしまうのです。
ですから、日本人には日本人に合ったたんぱく質を摂取し、しっかりとアミノ酸にまで分解し、身体の材料にしていくことが大切なのです。

フットボールでも、日本人がブラジルやドイツのプレースタイルを真似しても、勝てるわけではないのと同じですね。
日本人の持ち味は、アジリティー、技術、持久力などと言われていますが、食生活ではたんぱく質をうまく利用するために、日本人がずっと食べてきた大豆製品、魚介類を食生活にうまく取り入れることが大切です。アナタの胃腸にマッチしたたんぱく質は、しっかりアミノ酸に分解され、筋肉などの組織となってアナタの身体に役立ってくれるでしょう。
もちろんお肉や卵、乳製品にも良質なたんぱく質が含まれているので、バランスよく食べることが大切。
昨日がお肉なら今日はお魚、大豆食品は一日1回くらい、というくらいの気持ちで、まずはメインのおかずの選び方を意識してみましょう。

消化機能を助けるために、誰でもすぐにできる方法は「よく噛んで食べること!」。
噛むことは消化の第一歩、胃腸の負担を減らしてくれるのです。さらに最近は、噛むことで脳への刺激が伝わると集中力がアップするとも言われています。美味しく味わって食べるためにも、よく噛んで食べましょう。

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