Dケガについて考える 〜肉離れ〜

一般的に「肉離れ」というと比較的に軽い筋損傷と思われている選手もおおいと思いますが、
意外と復帰までに時間がかかることが多くあります。
時間がかかるケースとして、肉離れの病態を「ただの打ち身」などと軽率に考えて疼痛が少なくなったから
練習をしたり試合に出場したりする選手をよく見かけます。

肉離れは、その程度に応じて分類されます。
 ・軽症:筋断裂は無いが筋肉が伸ばされた状態(筋間の血腫のみ)
 ・中症:部分筋断裂(連続型)
 ・重症:完全筋断裂(非連続型)

筋腱などの軟部組織の修復には少なくとも1〜3週間かかると言われています。
重症になれば、断裂した筋腱が修復されて連続性が出来上がるのに最低でも3週間かかります。
これに日常の生活や社会人の方など仕事量を考えると、もう少し完全に回復するのには時間がかかってくると考えられます。
そして、そこから運動や競技に耐えられるだけの筋に戻るのに少なくとも3週間かかるとして、
復帰までに最低でも6週間+αかかると考えられます。

そこで、受傷した際は専門医師のいる病院等でMRIや超音波などで、正確な診断をつけることが必要となってきます。
その際に選手自身も自分の病態がどうなっているのか?どれぐらいのリハビリ期間が要るのか?どれぐらいで競技に復帰できるのか?
を理解することも競技復帰してからのパフォーマンス向上に影響があるので、病院の先生やトレーナーとの共有知識として学んでいくことも大切なことです。

■成因から見た筋挫傷と肉離れ(筋断裂)の比較

 

受傷機転

原因

後遺症

筋挫傷

外力によるもの

急性の外傷

骨化性筋炎

肉離れ(筋断裂)

自家筋力によるもの

疲労性

再断裂

 

■各年代と障害の発生頻度(%)

 

15歳以下

18歳以下

19歳以下

手部・手関節外傷

10.8

12.1

7.1

大腿部筋挫傷・筋断裂

0

8.1

19

腰痛・臀部障害

7.2

14.1

9.3

オスグット・シュラッター氏病

20.5

0

0

足部・足関節

36.1

34.3

40.5

【初期治療】
RICE処置を先ずは行うことが大切です。
成人の選手は知っておられる方が多いと思いますが、ジュニアやジュニアユース世代の選手でRICE処置を意外と知らない選手や軽率に考えている選手が多いのでしっかりとしたケアをすることを覚えてくださいね!

さて、先ずは筋肉全体をまんべんなく冷やしていくのではなく、一番圧痛が強い部分を冷やしていく事が重要です。
安静にする姿勢は、一番楽な姿勢をとって休んでください。(この際に包帯等で軽く圧迫をすると楽になることもあります。)
安静期間は、軽症の場合(1日程度)・中症の場合(2・3日程度)・重症の場合(1週間程度)が目安となります。

安静時の疼痛が消失しても、荷重して運動することによって疼痛が再出現することもあるので専門医師やリハビリの先生やトレーナーの指示に従い競技してください。

【参考文献】
「選手と指導者のためのサッカー医学」p.160-167

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