Eケガについて考える 〜足関節捻挫〜

まず、捻挫とは、「生理学的な可動範囲を超えるような外力が加わることにより、関節構成体に損傷が生じた後に解剖学的な位置関係が正常に戻った状態」を指します。
簡単に言うと、「骨と骨の間に起こる急激な捻れ、あるいは激しい外力によって関節周囲の関節包や靭帯が損傷する」ということです。

 支持靭帯の外側 : 前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯
 支持靭帯の内側 : 脛腓靭帯結合(前脛腓靭帯・骨間靭帯・後脛腓靭帯)

足関節は狭義には距腿関節、広義には距踵関節を含んでおり足関節の運動(背屈・底屈・内返し・外返し)があります。

捻挫は、どのスポーツでも多く見られ、発症・受傷機転はジャンプでの着地ボールに乗る急な方向転換・停止・転倒
内返し動作を強制されたときに多く見られます。
なお、一般的に足関節捻挫と言えば内返しに強制されておこる外側靭帯損傷を言います。

◎スポーツ現場での判断と応急処置◎
 ・歩けるか?
 ・足は動くか?
 ・何か音がしたか?
 ・痛みはどこにあるのか?

現場では、まず氷やコールドスプレーなどを用いて冷やす処置を行うことが多いと思います。
練習中での捻挫は、内出血や靭帯損傷を助長させるリスクが考えられるので、その日は練習を中止し、処置をしっかり行うほうが、
予後は良いと考えられます。
なお、コールドスプレーは、皮膚に副作用を起こすことがあり、深部の内出血や腫脹を抑えることはできないので、氷での処置のほうが良いでしょう。

処置だが、RICE処置がまず行われる。

 R : rest(安静)
 I : icing(冷却)
 C : compression(圧迫)
 E : elevation(挙上)

RICE処置

この処置はあくまでも現場から医療機関に受診するまでの応急処置なので、痛みが軽くなっても根本的に治ったものではありません。
そのため、受傷直後の短時間だけでなく、睡眠時までの長時間にわたって行うと良いでしょう。

最近では、受傷後のRICE処置が普及する反面、皮膚に直接当てる事で凍傷を起こす症例もみられるため気をつけてください。

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