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岡野会長、JFA役員に緘口令

東京(2000年5月3日)
 日本サッカー協会(JFA)の岡野俊一郎会長は協会役員の面々に、代表監督フィリップ・トルシエの進退に関するコメントを禁じた。
 この動きは「5月25日の理事会でトルシエ解任」という、世間を賑わした一連の報道に伴ったものである。

 現状を「混乱状態」と表現する岡野は、火曜日に3人の副会長、専務理事、委員会のメンバーに向けて書簡をしたため、コメントはJFA内だけにとどめておくよう指示を出した。
「この問題は我々が先導して行かねばならない。2002年W杯に向けたよいチームを作り上げて行くのは、極めて重要であるからだ。それが我々の第一の目的であり、また責務でもある。団結して、協会の結束力を見せるときである」会長はこう話す。
 この目的を達成するために、協会役員たちに警告を発する必要性を彼は感じたという。
 さらに岡野は付け加える。「これは協会内でまず話し合われる問題であり、かつ協会外部の人間には漏れることのないよう、彼らには通 達してある。例えば一人の役員がある意見を持っていたとすれば、それについて協会内で十分に話し合うべきである。そうでないと、日本中に様々な噂が飛び交ってしまうことになる。現在、全てが混沌としており、協会にとって芳しい状況ではない」

 日本代表が先週ソウルで韓国に0―1と敗戦した後、権威ある朝日新聞が「トルシエ解任、W杯前年の2001年よりフランス人アーセン・ベンゲルが指揮」との記事を載せた。さらに「日本サッカー協会は暫定監督をおき、その人物にギャップを埋めてもらう方針」とも報じている。
 内部の消息筋からの情報だとして、他紙も「トルシエ解任で決まり」と報じた。
 しかし岡野は、決定は為されていないと主張。
「たくさんのスポーツ紙が事態はどうなるかを書いているが、サッカー協会会長の立場からお話しできることは何もない。現在言えるのは、技術委員会の(トルシエの進退問題に関する)レポートを待っている状況であり、提出された時点で討議を行い、(5月25日の)理事会で決定が為されるということだけ。レポートはまだ受け取っていないし、いつ受け取れるのかも分からない」